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朝美辻遺跡3次調査(あさみつじいせき)

    所在地  : 松山市朝美辻一丁目
    調査期間: 2016(平成28)年2月8日~2016(平成28)年2月12日
    調査主体: 公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団 埋蔵文化財センター


    1.周辺の遺跡

     調査地は、松山平野西部に位置する大峰ヶ台丘陵の東麓、標高約15mに立地します。調査地の北側では朝美辻遺跡1次調査や朝美澤遺跡1・2次調査が行われ、特に朝美辻遺跡1次調査では古墳時代後期の自然流路から高床建物の建築部材である「蹴放し」が出土しています。西部では大峰ヶ台丘陵において大峰ヶ台遺跡1~13次調査が実施され、弥生時代中期の高地性集落や朝日谷2号墳をはじめとした数多くの古墳を確認しています。そのほか、大峰ヶ台丘陵東麓の辻町遺跡2次調査では、古墳時代~飛鳥時代の集落を確認しています。南部では、辻町遺跡や古照遺跡などで弥生時代から中近世の遺構や遺物を検出しています。

     

    2.調査の概要

     調査では弥生時代から近世までの遺構と遺物を検出しました。

     遺構は溝3条、土坑6基、柱穴8基を検出しました。遺物は弥生土器、土師器、須恵器、陶磁器、瓦、木製品が出土しました。

    〔まとめ〕 弥生時代の柱穴や弥生土器を検出したことにより弥生時代集落が大峰ヶ台丘陵から東方向に広がることが確認できました。古墳時代の遺構では溝と土坑、柱穴を検出し、遺物では6世紀初頭の土師器と須恵器が出土しました。調査地の西に位置する大峰ヶ台Ⅱ遺跡や朝美辻遺跡2次調査においても、同様の溝や同時期の遺物が出土しています。特に、3条の溝は形状や方向がほぼ同じで、埋土も同一であることから同時期に存在していたと推定され、古墳時代後期の集落が弥生時代と同様に東方向に広がることが確認できました。近世では、土坑4基を検出しました。土坑は狭小な範囲の調査のため、形状や規模が不明瞭です。古墳時代の溝の用途、近世の土坑については、周辺の遺跡での関連を考えながら今後の課題といたします。

     

    写真
    調査地の位置
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