調査では弥生時代から近世までの遺構と遺物を検出しました。
遺構は溝3条、土坑6基、柱穴8基を検出しました。遺物は弥生土器、土師器、須恵器、陶磁器、瓦、木製品が出土しました。
〔まとめ〕 弥生時代の柱穴や弥生土器を検出したことにより弥生時代集落が大峰ヶ台丘陵から東方向に広がることが確認できました。古墳時代の遺構では溝と土坑、柱穴を検出し、遺物では6世紀初頭の土師器と須恵器が出土しました。調査地の西に位置する大峰ヶ台Ⅱ遺跡や朝美辻遺跡2次調査においても、同様の溝や同時期の遺物が出土しています。特に、3条の溝は形状や方向がほぼ同じで、埋土も同一であることから同時期に存在していたと推定され、古墳時代後期の集落が弥生時代と同様に東方向に広がることが確認できました。近世では、土坑4基を検出しました。土坑は狭小な範囲の調査のため、形状や規模が不明瞭です。古墳時代の溝の用途、近世の土坑については、周辺の遺跡での関連を考えながら今後の課題といたします。
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